いたち川ウォーキング
平成16年11月13日(土)
大和市環境部水と緑課主催
(報告:五味事務局)
「いたち川」は横浜市栄区の中心を流れ、大船付近で柏尾川に接続する全長約9kmの二級河川です。
いたち川は都市河川としては自然環境の工夫を早くから取り入れ、流域や市民の親水性を意識した「川づくり」が積極的に行われている河川です。
今回は市環境部水と緑課の主催で、大和市民及び市職員と合同で河川観察を兼ねた「ウォーキング」が開催され、五味事務局が参加してきました。
なお当日現地スタッフとして、栄土木事務所職員、和久井征治さんにいたち川のガイドを兼ね動植物の説明をして頂きました。
集合場所の小田急線桜ヶ丘駅
ここから市のマイクロバスでいたち川に向かいます
9:45いたち川下流に到着
行きと帰りにお世話になるバスです
行ってきます!
栄土木事務所職員、和久井征治さん
河川を始め動植物のエキスパートです
スタートの「いたち橋」の銘板
いたち川には各橋のたもとにこの銘板が設置されています
いたち橋上流部分。すでに50ミリ対応河川(時間雨量50mmに対応)で川幅も広く、護岸整備も終わっています。自然護岸を両岸に設置しています
水辺のブロック部分。少し間隔が離れて設置されていますが、これは魚類などの水中生物が中に入れるように工夫されているそうです
川床にも石やブロック等で変化がつけてあります。写真は石を積んで川床の変化を作り出しています。奥が早い流れ、手前が緩い流れになるように工夫されています
いたち川には、親水階段が数カ所設置されています(写真右手前)
増水時を考えて、階段は上流から下流に向く一方向しか取り付けられていません
シラサギ(コサギ)を撮影しました
最近は引地川流域でも見ることはできますが、いたち川の方が飛来数が多いように思えました
途中の橋から上流部分を撮影。何と草刈り等は一切されていないそうです。川岸が広くなったり狭くなったりメリハリをつけています
アヒルのガァ子が悠々と泳いでいます
誰かが捨ててしまったんでしょうか?
川岸の暗いところで「アオジ」が羽づくろいをしていました
この時期になると、高原から降りてくるホオジロ科の鳥です。引地川流域でも観察すれば少ないですが生息しています
アオサギです。かなり大きいです。下流を見据えて微動だにしませんでした。近くで見ると結構厳つい顔をしています(^^;)
石を組み合わせて河川に変化を持たせる工夫に興味を持ちました。引地川でも出来るかな?
下水道が整備されても、やはり汚水が流れてきます。汚水を直接流さず、浸透させてしまう工夫です。水量が少ない場合は有効かもしれません
「いたち川のいわれ」の看板。
そのほかにも川に関する様々な資料が看板として設置されています
橋の銘板の土台に使われている煉瓦は、汚泥をリサイクルし作られたものだそうです
本流(手前)と支流(旧いたち川)ここは公園や親水階段が整備され、市民の憩いの場所となっています
親子連れが持ち寄った餌を鯉にあげています。ハトがおこぼれを貰おうとウロウロしていますね
本流にかかる「大いたち橋」
奥の建物は栄区役所
こちらは旧いたち川に架かる「こいたちばし」の欄干。可愛いですね
魚類は入ってみないと分かりませんが、ともかく鯉はたっくさんいます
川岸に植えてある樹木の説明をする和久井さん
川岸の樹木も、燃えにくく、横に広がりにくく、虫が付きにくい樹木を選定して植えているのだそうです
「扇の水辺」
ここて昼食を兼ねて休憩しました。自然護岸の広がる美しい場所です
ここでコンビニで買ったオニギリを手にしばしの休憩。
自然護岸に囲まれた美しい広場は、本当に「横浜市」なのかと目を疑いました。
さて、昼休みを挟んで支流の「矢沢堀小川アメニティ」を見学し、上流で向かいました。
「矢沢堀小川アメニティ」
立派な看板が設置されています
矢沢堀の概要パネル
水源は遊水池ですが、本来の流れを暗渠(あんきょ)化し、その上に湧き水からなる小川が設置されているという、なるほどという感想です
矢沢堀小川を観察する参加者の方
この真下にトンネルになった堀があるわけで...
こんな看板が設置されていました
私たちの会もこういう看板設置しようかな...カバちゃんがお掃除しています(^^;
手押しポンプや水車なども設置されています。この水車で揚げた水は近くの自然観察用の田んぼ(湿地?)に流れていきます
どう見ても小川ですね。下にトンネルがあるなんて全く分からないです
上流の小川とトンネルの分岐点。分かりにくい写真ですが、汚れている水は下のトンネルへ、綺麗な水はパイプを通って上の小川へと流れていきます
矢沢堀小川アメニティを見学後、いたち川に戻り、さらに上流を目指しました。
歩き疲れが出てきましたが、もう少しです。
ここから上流の「瀬上沢小川アメニティ」を見学しながら「瀬上市民の森」にある「瀬上池」を目指します。
川沿いに立つごく普通の街路灯..と思いきや白色ダイオード(LED)を使用した街路灯です。LEDの特性を利用して、人間には見え、他の生物には光線が見えない様に工夫されているそうです。電源は太陽電池が装備されています
いたち川の上流部まで来ました。ここから瀬上沢流域を登り、瀬上市民の森へ向かいます
かなり古い石積のアーチ橋です。昔からの流れを物語っています
素堀の横堰(よこぜき)
写真には映っていませんが、この辺りの地層に貝の化石を見ることが出来ます。夏になると多くの蛍が飛んでいるそうです
瀬上沢小川アメニティの看板。上流の瀬上池から流れが来ています
素堀のトンネル。実は先日の大雨で崖の土砂が崩れ、トンネルの出口が池のようになっていました
素堀トンネルの入り口。このすぐ上に水源の「瀬上池」があります
瀬上市民の森。もうすぐゴールです
ゴール地点の「円海山頂上」
無線中継塔がそびえ立っています
その中継塔横の眺め。横浜港やベイブリッジが見渡せます。本当にここは横浜か?と改めて思い知らされました
頂上から歩いてきたところを撮影。もう陽がだいぶ傾き、雲の間から差し込む夕日が美しかったです
ようやくお待ちかねのバスに逢えました。結構歩きました
ガイド役の和久井さん、有り難うございました!
ここからバスに戻り、大和まで戻ってきました。
市民との川の触れあいを身近に感じた「いたち川」、行政と市民の協働工夫が多々見られる小川アメニティ、また和久井さんの大変豊富な知識とわかりやすいガイドで充実したウオーキングが楽しめました。
引地川の川づくりに十分参考となると思いました。
最後に参加者の皆さん、市職員の皆さん、朝からガイドをして頂いた和久井さん、お疲れ様でした。
(おわり)